セロトニンという言葉はあまり耳にしないかもしれませんが、「幸せホルモン」という言葉を聞いたり、視た人は多いと思います。実は、セロトニンは幸せホルモンの1つです。セロトニンについて知ることは幸せになることへの近道だと個人的には思っています。
幸せホルモン
- セロトニン
- オキシトシン
- ドーパミン
web上で「幸せホルモン」と検索すると、上に示す物質がでてきます。元医療従事者の自分の知っている知識では、上記3つは確かに幸せを感じるため、幸せを感じたときに分泌される最重要な物質で間違いないと思います。ですが、正式に言いますと、
[オキシトシン-Oxytocin]は内分泌物質(ホルモン(Hormon))です。しかし、セロトニン(Serotonin)とドーパミン(Dopamin)は神経伝達物質です。(※ドーパミンはホルモンになりうる)下記に内分泌系と、自立神経系について少しくわしく記述していきたいと思います。また人の体は上記の2つの系によって調整が行われています。
内分泌系
高位中枢は視床下部です。内分泌系とは、内分泌腺(内分泌器官)と内分泌物質(ホルモン)の総称です。自律神経系との大きな違いは、ホルモンは血液中に直接、内分泌腺から分泌されて、血液循環とともに、受容体にくっついて作用すること。一方自律神経系の神経伝達物質は基本的にニューロン間のシナプスにしか存在しません。
具体例(器官)
主な内分泌腺には以下の器官があります。またカッコ内には主なホルモンを記載しています。
- 下垂体(前葉:成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ほるもん、性腺刺激ほるもん、プロラクチン 後葉:バソプレッシン、オキシトシン)
- 松果体(メラトニン)
- 甲状腺(サイロキシン、トリヨードサイロニン、カルシトシン)
- 副甲状腺(パラトルモン)
- 副腎(皮質:コルチゾール、アルドステロン、男性ホルモン 髄質:アドレナリン、ノルアドレナリン)
- 膵臓(インシュリン、グルカゴン、ソマトスタチン)
- 精巣(テストステロン)
- 卵巣(エストロゲン、プロゲステロン)
作用
自律神経系とともに2大身体精神調節機能をもつ人体の最重要系の片方。作用は多岐にわたり、人が人らしく感情や考えをもったりしたときに、体にも作用を及ぼします。
自律神経系
自律神経系は神経系の1つで、人の意識と関係なく自律して人体の作用を調整しています。自律神経には、交感神経と副交感神経が含まれます。神経の基本単位はニューロンで、ニューロンは細胞体と軸索から成り立っています。細胞体の周りには樹状突起があり、鋭い星型のようになっており、軸索の末端、次のニューロンの樹状突起と隣接しています。軸索終末ととなりのニューロンの樹状突起との間隙をシナプスといい、神経伝達物質は軸索終末内の袋に内蔵されていますが、電位をうけると放出され、シナプス内を行き来して隣接するニューロンに信号を与えます。
具体例
- 心臓が常に動いてる。
- 肺が無意識でも呼吸を続けている。
- 熱いと汗が皮膚から出る。
- ハグをするとぬくもりがじわーと届く。
作用
中枢は脳幹、胸髄、腰髄、仙髄など複数あるが、高位中枢は内分泌系と同様視床下部です。作用は、人が生きていくために必要な最低限度の機能調整(心臓の動き、肺の動き、各臓器)などから、汗や涙など、また幸福感、やる気、ストレス耐性をあげるなど多岐にわたる。
セロトニンの作用
逆にセロトニンが不足すると以下のようなことが起こります。
- 不眠症
- うつ病
- 自律神経失調症
- 幸せを感じれない。
- いらいらしやすい。
- 集中力低下。
- 体がだるい。慢性疲労。
セロトニンが活発に分泌されると
- ストレス耐性が上がる。
- 集中力があがる。
- 幸せをかんじやすくなる。
- 睡眠の質があがる。
- 疲れにくくなる。
- 腸の動きが活発になる。
3大神経伝達物質
- セロトニン
- ドーパミン
- ノルアドレナリン
この3つが神経内でよく使われるかつ人に対する効果が大きい神経伝達物質です。現代人はこのなかででもノルアドレナリン過多であり、逃げるか戦うか状態で保つ時間が長くなってしまっている傾向が強いといわれています。たとえば、プレゼンテーションの発表まえの緊張や、電車のなかでぎゅうぎゅうにつめられているストレスのかかる時間も、ノルアドレナリンが分泌されてます。もともと、ノルアドレナリン・アドレナリンは短時間でのみ効果を及ぼすことを想定している物質であるので、長時間分泌されることによって、体には想定外の負荷がかかりつづけます。
そのアドレナリン過多による体調不良を整えるにはセロトニンがもっとも効率よく、体によく、自然です。
アドレナリンや、ドーパミンがですぎると病的になりますが、セロトニンがですぎて病気になるということはないので、その点も安心できる物質です。
セロトニンを分泌する行動
朝おきたら太陽の光をあびる(できたら起床後30分以内)
朝おきて太陽の光をあびるとセロトニンが分泌されることが知られています。また朝セロトニンが分泌された14時間後にメラトニンが分泌されます。メラトニンが分泌されると眠気がきます。つまり、朝太陽をあびる時間で眠たくなる時間がきまります。
同じ動作をくりかえす
ガムをかむ、同じペースでゆっくりwalkingするなどの同じ動作をくりかえすとセロトニンが分泌されます。負荷が大きすぎる動作ではなく、自分にとって気持ちいいと思えるほどの動作を繰り返すことが大切です。
パートナー・信頼できる人の温かみを感じる
これが本来のセロトニンの感じ方かもしれません。好きな人ができてつきあってという段階でどきどき感があります。このどきどき感はドーパミンです。このどきどき感が薄れていくと比例して、安心感やぬくもりを感じるようになります。これがセロトニンです。小学2年のとき、膝に擦り傷ができて保健室に連れていかれました。けがしている自分の手をとって保健室までつれていってくれた姉さんや傷の手当を保健室の先生がしてくれている間、僕はずっと、背中のあたりからじわーと温かいものを感じていました。これが、僕にとってのはじめてのセロトニンを実感した瞬間です。
温泉に入る
温泉にはいったときにじわーと首あたりに心地よさがくるときもセロトニンは放出(分泌)されてます。
腸内環境を整える
セロトニンの90%は腸内で滞在してます。腸内をととのえることで体はうまくセロトニンをコントロールできます。また、腸は体全体の免疫細胞の75%も存在している臓器でもあるので、腸の調子は体の調子に大きく影響を及ぼします。ほかにも腸は体に必要な物質を作る工場としてのおおきな役割をもってます。
トリプトファンを摂取する
セロトニンの材料はトリプトファンです。トリプトファンは人体に必須な栄養素であるにもかかわらず、人体では生成することができない必須アミノ酸です。
よって人は定期的にトリプトファンを体外から摂取する必要があります。トリプトファンは以下の食べ物にふくまれています。
- 納豆などの大豆食品
- ヨーグルトなどの乳製品
- 鮭
- バナナ
以上のものに含まれています。個人的には、ヨーグルトにトリプトファンが含まれているのは意外でした。なぜなら、アミノ酸は、タンパク質の元で、タンパク質は主に肉に多く含まれています。なので、ヨーグルトに肉の成分が含まれているという事実が意外でした。
感動の涙を流す
アニメやテレビなどの映像、本を読んだりして感動の涙をながしたときには多くのセロトニンがでます。たくさん泣くことは体や心にとって神経を整えるという点でも乱れをリセットしてくれるという点でもおすすめの行動です。
最後に
幸せに生きたいと多くの人が願ってますが、ウクライナの戦争やCovid-19、地震などのような、想定外の事象が多発している社会がひろがっています。
意識せずとも交感神経優位な状態になってしまっているのかもしれません。
一方、自律神経を直接調べるような検査方法が民間や公にはあまり流通していないので、異常にも気づきにくいのも現実です。
各々で、自分のために、ふと、セロトニンを分泌させてあげる行動をとるようにすれば、今よりも少し幸せを感じる瞬間が増えると思います。